(画像はイメージです。)
目次~もくじ~
大阪地震、ブロック塀倒壊で9歳女児が死亡
「申し訳ない気持ちでいっぱいだ。原因を究明し、誠意を持った対応をしたい」。震度6弱を観測した地震で小学4年の女児が犠牲になった高槻市では、浜田剛史市長が18日夕に記者会見して謝罪した。夜には市教育委員会幹部が会見し、倒壊したブロック塀は高さ3.5メートルで建築基準法に基づく規格(2.2メートル以下)に適合しておらず、法令違反の状態だったことを明らかにした。
「大阪震度6弱 高槻市長が謝罪 倒壊した塀、基準満たさず」より一部抜粋
毎日新聞2018年6月18日 21時14分(最終更新 6月19日 00時45分)
大阪地震で被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げます。
地震によるブロック塀の倒壊で、女の子が犠牲になってしまったこと、とても悲しく思います。
問題となっているブロック塀は、明らかに施工基準を満たしておらず、その代替対策もない施工なので、歯がゆい思いで胸が苦しいです。
ブロック塀はなぜ倒れてしまったのか
地震があるたび、ブロック塀の倒壊というのは、問題とされてきました。
ブロック塀診断士、という資格を取得したときの講習で、様々な倒壊の仕方をしたブロック塀を目にしましたが、それらはどれも悲惨な状態でした。
今回の件の最大の原因は、ブロック塀の高さというよりは、継ぎ足しして施工してしまったことではないかと思います。(建築基準法違反はもちろんそうなのですが)
既存壁にアンカーをもんだだけで、あの高さのブロック塀がもつはずがありません。アンカーをもむだけであれば、せめて控え壁を多めに入れる等の対策は必須でした。
ニュースの写真を見る限りだと、ブロック塀は一体化して倒れているので(2枚に分かれているので、鉄筋と鉄筋の繋ぎ目はあやしいですが)、ブロック塀内には、充分な縦筋と横筋が組まれていたんだと思います。
しかし、例え縦筋と横筋が充分に組まれていても、継ぎ足しをしてしまえば、そこから丸ごとパタリと倒れてしまいます。
控え壁をつくらずに施工した理由が例えば、狭くなってしまうことを懸念されていたのであれば、両端だけでも、L字に曲げて伸ばして支えていれば、倒れる可能性はグッと減っていたでしょう。
ブロック塀の継ぎ足しというのは、よく使われる危険な施工法です。
数段くらいであればまだ良いのですが、腰の高さ以上になってくると、継ぎ目から今回のように倒れてしまう危険性があります。いくら鉄筋を入れても一緒です。
継ぎ足しでつくったブロック塀は、継ぎ目の部分に負担が集まるため、経年劣化するとひび割れが出て広がっていきます。
どうすれば倒れなかったのか
今回の場合は、
・基礎部分から壊してコンクリート擁壁(or擁壁ブロック構造)にする。
・土留めの内側に、再度基礎と共にブロック積みで施工する。(控えブロックありで)
・自重の軽い構造(ブロックではなくて、アルミやポリカなど)の塀にする。
などを検討しないといけない案件でした。
いや、そもそも建築基準法上は難しいのですが。
今でも、無茶な施工は良く見かけますし、信じられないことではありますが、鉄筋を入れずに施工されている新しいブロック塀も見かけます。
鉄筋の有無は、小さな機械で簡単に調べられますので、土留めのブロックで鉄筋が入っていないものを見ると、とても驚きます。
今の時代だと、そもそもプールの設計に目隠しが組み込まれていなかった、建築設計の落ち度ではないかとも思いますが、
昔の時代の施工からのリフォームだとすると、予算が無かったのかな、とも思います。
予算を削ってしまって良いところでは無いのですが、一定の金額以下まで叩かれてしまえば、まともな施工なんてできませんしね。
倒壊の恐れのあるブロック塀は命を奪ってしまう危険性があります
こういったコンクリート製品の寿命はどのくらいなのでしょうか?
コンクリート製品の寿命は、20~30年と言われています。
ですので、それが経過してしまっている、倒壊の恐れのあるブロック塀なんて山ほどあります。
それだけの年月が経っていなくても、鉄筋が充分に入っていない塀もたくさんあるわけですから、おそろしい話しです。
控え壁に関しては、本当に効果があるかどうかあやしい後付けの控え壁とかも見かけますが、
基礎施工の段階から繋げておかないと、控え壁だけ残して、結局ブロック塀本体が倒れてしまう、なんてこともありますので、注意しましょう。あれは、控え壁側に倒れにくくなるというだけで、反対側には倒れます。
私自身、ご相談もたくさん受けますが、結局ご予算の関係でお話しが流れてしまうことがほとんど。
建築基準法についてや、損害賠償責任は所有者が負うなどの法律のお話しも、もちろんそうなのですが、
道路や歩道に面しているところであれば、人の命がかかっているわけですから、今一度、真剣に検討してみませんか?
直接的な原因は地震であることが多いですが、土留めブロックの場合は、土圧がかかって倒れてしまうこともあります。
今一度、ご自分の外構に危険は無いかどうかチェックしてみましょう。
地震の場合は、モノ自体の重量によって倒壊していますので、土留めが必要無い場合は、フェンスなどの軽い構造にするというのも、地震対策になります。
ブロック塀の積み替え工事、リフォーム工事、ご相談承っていますので、ご不安な方は、お声がけください(^^)
以上、お読みいただきましてありがとうございました。記事のシェアやトップページへ戻る方は、この記事の最下部からどうぞ。
誤字報告、画像欠落、リンク切れ、ご質問、ご意見、ご感想などは、記事最下部のコメント欄か、こちらの簡易メッセージフォームからお願いします。
さいたま市内とその周辺のお庭づくりや外構リフォーム工事を承っています
植栽、移植、造園工事、植木仕事、庭づくりなどの新植やリフォーム
→「さいたま市の植栽工事は「やどねガーデン」へお任せください」
剪定、消毒、施肥、植え替え、伐採、抜根などのガーデンメンテナンス
→「さいたま市の剪定工事は「やどねガーデン」へお任せください」
お庭工事、ガーデン工事、外構工事、エクステリア工事などのリフォームやリノベーション
→「さいたま市の外構工事は「やどねガーデン」へお任せください」
トップへ戻る
↓ ソーシャルメディアでの共有は、こちらのボタンからどうぞ ↓