『「捨てる!」技術』

著:辰巳 渚、出版社:宝島社、新書(2000/4/24)222ページ。

前回ご紹介した本で紹介されていた本です。何かを実践するときには、同じジャンルで違う著者の本を何冊か読むと、本質が同じ部分が違う言葉で染みこんでくるのでオススメです。

その中で、自分とフィーリングが合った本を、もう一度読み返してみると、グッと理解力が深まります。

そうは言っても、私の場合はそれを実践できるようになるまで随分とかかってしまいましたが(*ノωノ)

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「いま要らないモノは持っていなくていい」と考えることで、要るモノを大事に使えるようになる。

「使うか分からないけれど、とりあえずとっておく。」「貰えるモノはとりあえず貰っておく。」

そうではなくて、「要るか要らないか」「使うか使わないか」で考えて、要らないものは持たないと発想するのが『捨てる技術』。

「最初から少しの物で満足しよう」、「物を大事に使えば環境にやさしい」とかではなく、もっと直感にしたがって必要の有無を判断することで、結果的に暮らしに溢れる物はちょうど良い量まで減り、環境にやさしい暮らしにもなるはずです。

判断を先延ばしにせず、“いま”決めるということ。

物が溜まるシチュエーションの分岐点が、ストーリー形式で書かれています。

「あとで片づけよう」「あとで聞いておこう」「いつか使うだろう」、どのケースにも共通することが、判断を先延ばしにしてしまっているということです。

思い立ったときが、ベストタイミング。

自分の物ではなくて判断を先延ばしにせざるを得ない場合は、メールやラインで、“そのとき”に聞いておくと良いでしょう。

いつか使うという場合は、具体的な日を設定します。例えば、「今週の日曜日に使う」とか「○月○日に使う」など。「○○までに使う」と設定してしまうと、ズルズルと延びて結局使わない、ということになりがちです。

他人の“とっても便利”は、私の“じゃま”

つまるところ、これに対処するには“おのれを知れ”ということに尽きる。人は人、私は私、と思い切れば、普段必要を感じていないモノはいらないものなのだとわかるだろう。

世の中に溢れているモノは、需要からモノが生まれるのではなく、モノを作るたびに新しい需要を掘り起こしてつくられているものがほとんどです。

つまり、自分にとって「トキメキを感じますか?」ということですね。

モノの肥満状態

満腹なのに、おいしいものが出てくるとまた食べたい、目で見ておいしそうならまた食べる、時間がきたから食事する、と、きりがない。

いくら栄養があっても、美味しくても、人間の身体が受け入れられる量を超えてはいけないように、いくら良いモノ、便利なモノ、価値のありそうなモノがたくさんあっても、身のまわりに増やしすぎてはいけない。

お腹が減るとグーっと音を鳴らすのは、誰もが持つ感覚ですが、必要量を超えた食事量をコントロールするのは、自ら身につけないと一生身につかないことです。

モノであっても、それと同じ、ということですね。

感想

宙ぶらりんになっているものを無くす

前回ご紹介した『片づけの魔法』の中で紹介されていた本です。物を捨てるということについて、より深く理解したいという方にオススメ。

少し古い本なので、より新しい考え方にアップデートしたのが、『片づけの魔法』という位置づけになるかと思います。

いまの時代は、メルカリが台頭してきて気軽に中古品を売買できるようになったので、要らないモノを手放せる反面、ストックもしやすいですよね。

スマホで情報にアクセスしやすい世の中でもあるので、どうしても身のまわりも頭の中もゴチャゴチャしてしまいやすいのではないでしょうか?

本書の実践を越えた先に

この『捨てる技術』という考え方を突き詰めていくと、自分の周囲がスッキリするだけでなく、柔軟な思考ができるようになったり、普段していることの効率や成果が上がったり、体型も太ることはまず無くなります。

本当に必要なのかどうか?そしてそれを、いま判断する。

人生は選択の連続、なんて言い回しもありますが、そんな選択の精度を上げていくことによって、より充実した人生をおくることができます。

著者について

消費行動研究家。本書の刊行以降、楽しく豊かに暮らす方法について提言を続けている。

装丁、挿絵、文章構成、レイアウト

単行本は大きくて持ちにくくて、文庫は小さい。新書って、ちょうど手のひらサイズで、読みやすい大きさですよね。

挿絵は、落書きっぽい絵が要所要所に散りばめられています。

装丁のデザインは、ご覧の通り新書っぽい感じです。タイトルとロゴと規格の背景、みたいなものが多いですよね。そういう決まりがあるのでしょうか?なんか真面目っぽい感じ。

あくまで中身の文章で勝負したいということなんでしょうかね?私は、デザインとかが結構好きなので、表紙も楽しめるようなものだと、その本がもっと好きになります。

前半が知識編で後半が実践編。

想定読者

・物が溢れてしまっている方
・毎日片づけに時間がとられてしまう方
・判断を先延ばしにしがちな方
・よく周囲に振り回されてしまう方

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まとめ

“いつか”なんてこない

いつか、いつか、と言っているうちに人生は終わるかもしれない。

本書の中では、“3年使わないものはいらないもの”と定義されています。あなたの身のまわりに、3年以上使っていないものはどれだけあるでしょうか?

5個?10個?20個?

その数だけ安心?いえいえ。

その数だけ、あなたはいま、“縛られてしまっている”ということです。

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