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エクステリアをリノベーションした施工事例をご紹介します。
建て売りで購入されて外構が付帯している場合でも、それを活かしながら機能とデザインのバランスを整えてあげれば、見映えのするものになります。
目次~もくじ~
既存外構を活かしてリノベーションしていきます。
ご要望
・建て売りの住宅を購入したが、植栽が荒れ放題になってしまっているので、バランスを見て整えて欲しい。
・掃き出し窓の前のタイルテラスに日除けをつけたい。
・初めての一戸建てなので、外構全体を見てもらいたい。
工事内容
・駐車場
・アプローチ舗装
・テラス屋根
・ゲートフレーム
・立水栓
・花壇
・フェンス、格子
・照明器具
・植栽
など、外回り全体の外構リフォーム工事。
施工情報
・邸名: I 様邸
・場所: 埼玉県蓮田市
・施工期間: 約 1 ヶ月
・工事価格(外構): 約 340 万円
・工事価格(植栽): 約 110 万円
施工前写真
街路樹や公園で使われるような植栽を交換してバランスを整えて欲しいとのご要望でしたので、全体的に植栽を見直します。
この写真では、
・門袖がオシャレな2枚壁になっているのに繋がっている印象がない。
・シンボルツリーの位置がエントランスや門柱から離れてしまっている。
・アプローチが飛び石になっていて歩きにくい、つまずきやすい。
・建物と門袖がベージュ系統なのにアプローチがグレー系統になっている。
を改善していきます。
付帯のタイルテラスとファニチャーがあります。ここを喫煙スペースにするために、オーニングのような日除けをつけたいとのことでした。
この写真では、
・テラスに屋根も日除けもついていない。
・動線を邪魔する植栽の配置になっている。
・芝生の中に低木が点在しているので、芝刈り等の管理がしにくい。
を改善していきます。
今回はご予算の関係で見送りましたが、タイルテラスの高さを掃き出し窓の下端の高さまで上げてあげると、リビングからお庭への動線が強く繋がります。
使いやすいお庭にする場合は、
周囲からの目隠し > デッキテラス > リビングとデッキテラスの高低差 > テラス屋根 > 日除け
の順で優先していくのがオススメです。テラスそのものよりも、周囲の囲いが無いと、実際には使わない『飾り』になってしまい、とても勿体無いです。
今回は、既存のタイルテラスがあったため、高低差よりも屋根を優先しました。
角地のため、視線が気になるとのことでした。腰の高さの門袖があるのにとても勿体無いです。腰壁タイプのガーデンルームに人気があるように、テラス周りは腰の高さくらいの壁があると、安心感を感じる空間になります。壁の高さが高すぎると圧迫感や閉塞感に繋がるので、バランスをとりながら調整していきます。
この写真では、
・角地にも関わらず充分な目隠しがされていない。
・タイルテラス横に壁が無いので、落ち着かない。
・植栽のスペースが点在しているので、管理がしにくい。
・ポストの取り出しスペースに充分な舗装スペースがない。
・機能門柱と門袖の統一感がない。
を改善していきます。
右端のほうに少し見えている黒いポストが既存の機能門柱になります。門壁を立てた上で機能門柱を入れたデザインで面白いと思いますが、木目調が機能門柱だけなので、塗り壁の門袖との統一感が弱いです。こういう場合は、雰囲気が合うように、木目調の素材を門袖部分に少しプラスしてあげるだけで、かなり調和がとれます。
こちら側も、目隠しになるように植栽をしたいとのことでした。
この写真では、
・テラス横のスペースが丸見えになってしまっている。
・一番歩道との距離が近い部分に仕切りが無い。
・室外機の排気が歩道へ強く流れてしまっている。
・芝生で斜面を覆っているので、上部の土が乾きやすくなっている。
・道路境界がコンクリート縁石で見映えが悪い、段差が低くウォータースペースが無い。
を改善していきます。
枯れてしまって見映えが悪いので、植栽を交換したいとのことでした。
この写真では、
・テラス横と同じく芝生が法面になっている、乾きやすい。
・建物基礎の泥ハネ汚れが目立つ。
・植栽スペースから立水栓までの距離が遠い。
・植栽スペースの幅が長いにも関わらず、奥行きが長いので手入れが大変。
・芝生の中に植栽が点在しているので、芝刈りが困難。
・植栽の高さや位置が揃っているので不自然な印象になってしまっている。
を改善していきます。
施工中写真
LIXILのプラスG、Gルーフからフレームを繋げていきます。
ピンコロ石積みの花壇。土留めをつくり、道路側が斜面になってしまっているお庭をフラットにします。
目隠しのパネルを取付けていきます。完成後には、ネジが見えないように設計されています。
アプローチの石貼り舗装。下地にコンクリートを打っています。
施工後写真
角からの目隠しは、大きめの植栽で。シンボルツリーのシマトネリコをアップライトで照らしています。デザイン格子と植栽が重なる部分は落葉樹を入れて、季節感がでるようにしました。
ファサードはゲートフレームを構え、ダウンライトでカースペースを照らします。照明の色は、電球色で統一しました。
プラスGのフレームをお庭から、駐車スペース、門柱へ繋いでいき、建物から外構への流れに統一感を。デザイン格子をフレームから落とし、広めの植栽スペースとも繋ぎました。
門袖の2枚壁に重なりが無かったため、スリットフェンスで壁が擬似的に重なるようにしました。石貼り壁から開口窓の手前まで格子を延ばし、視線が格子から小窓へ自然と映るようなバランスにします。既存の機能門柱やゲートフレームに色彩を合わせ、色のバランスをとりました。
プラン提案(イメージパース、平面図)
叩き台としてのプランを、テラススペースを中心につくりました。この他にもいくつか描いていますが、枚数が多いので割愛します。ここから優先順位を決めていって、追加したいことや削減したいことを整理していき、より現実的なプランにしていきます。
今回のご相談は、植栽のリフォームと合わせて、「外構全体を見て欲しい」とのことでしたので、お客さまが気になっていることの他にも考えられる様々なことを、とりあえず全て叩き台として落とし込んでご提案させていただきました。
既存の外構を最大限に活かしつつ、それらにどう手を加えればより良くなるかを検討していきます。
このとき、ただ商品を並べるだけでは、必ずどこかで歪みがでてしまいます。ですので、「日除けをつけたい」、「フェンスをつけたい」という商品単体の『モノ』ではなく、「ここで煙草を吸いたい」、「この角度からの視線が気になる」などの、目的である『コト』を基準として改善案を考えていくと、柔軟性に富んだ選択肢が広がります。
「一緒に考えていきましょう」というよりは、ご要望の基の部分を汲み取って、私たちプランナーのほうで考えた問題点や選択肢の優先順位を、おおよその感覚でお答えいただくような形でお話しを進めていきますので、ご負担を強いることなく、お客さまの描くイメージをがっちりとバックアップさせていただいています。この最初のご提案内容をつくる段階で、予想通りのイメージから、予想以上のイメージへクオリティを上げていきます。
優先順位をすりあわせていった結果、テラス部分の高低差解消とアプローチ側の目隠し、植栽と格子材を照らすポールライトを削減しました。ダウンライト中心のライティングとなってしまいますが、照明の代わりに車庫のゲートフレームが追加になりました。
玄関ドアへ延びるアプローチの舗装もインターロッキングではなく、経年劣化に強い自然石で、既存のグレー部分を思い切ってやり直します。このときに、玄関ポーチのタイル色が明らかに建物と合っていない場合は、玄関ドアから外側のタイルだけ色味を建物の外壁に合わせてあげると、印象がかなり良くなります。
目隠しの急所はおさえながら、植栽スペースを減らした上で植栽のボリュームを増やし、残りのスペースは色合いを統一しながら全て舗装していきます。建物横の細長い植栽スペースは、建物基礎側を舗装してあげることで、植栽の管理をしやすく、建物が汚れにくくなっています。
ギャラリー
ポールライトが無いため、道路側が暗い印象ですが、建物内から鑑賞するお庭は、ライトアップされて明るくなっています。
自動車が通り抜けていった写真。マニュアルで絞りF8のシャッタースピード2秒~3秒の間で、露出を+1.0前後で試行錯誤。。。色温度は、電球色だと現実味の薄い色味になるので昼白色あたりで。
フレームから降りてくる、オンリーワンのGロッド。高さがあると、とても綺麗です。
幻想的なライティングのキーポイントになる、ガラスの角柱。気泡が乱反射してキラキラと光ります。植栽との相性も抜群です。
敷地内からお庭を見ると、木々がライトアップされていて、とても癒やされます。
お気に入りのお車と、ゲートフレーム&ダウンライトの組合せは鉄板です。上から降りてくる照明がボディに格好良く反射します。
遠くから見ても存在感抜群のガラス角柱。
エントランスのゲートフレームは、くぐることで、お家に帰ってきたという印象を与えます。
空の色が一番綺麗に写る時間帯。15分間ほどでこのグラデーションが終わってしまうので、数カットしか撮れませんでした。程よく雲っていたほうが格好良くなるのですが、雲が少なめですね。。。
建物の形と外構の形。そしてそこに配られた色彩。全体のバランスがとれて建物がより厳かに映ります。
ガラスの角柱に絡むオリーブ。光で浮き出るシマトネリコのシルエット。
小さな葉が風に揺れる様子は、とても涼しげです。
絞りをF22くらいまで絞って、光源をキラキラにしてみました。
クリアマットパネルの目隠しは、光を乱反射するので、外側から見た印象も良くなります。
玄関ポーチを飾る寄せ植えは、バードバスを加工した容器でつくりました。
ガラスの角柱とオリーブの葉が良く合います。
スリットフェンスにガラスを挟む遊び心を。
駐車場上を繋いでいるフレームは、お庭を走らせているフレームより一回り太いものを採用し、間口の長さとのバランスをとっています。
お庭を水平にするために積んだピンコロ石は、既存壁の石貼り部分の色味と揃えました。そのピンコロ石と同じ色味と素材で、アプローチ舗装をしています。
道路との距離が近いタイルテラス横は、ゲートフレームに色彩を合わせた木目調のアルミ板貼りフェンスで腰の高さまでの仕切りをつくりました。そこから上は、目線の高さまでカバーした採光性のあるパネル、Gスクリーンで目隠しをしています。
花壇を立ち上げて、規則的にリズム良く植栽しました。オタフクナンテンが紅葉して赤色になると、季節感がでてアクセントになります。
植栽スペースには、必ずセットで立水栓とホースリールを。立水栓はコロルミニがオススメです。植栽の提案は、必ず水やりを前提としたものにしないと後々の管理が難しくなります。建物基礎際を舗装して、腕の届く奥行きに植栽スペースをおさめています。
オススメは、上記の30mのホースリールです。リール本体の大きさは変わりませんので、一番長いものを選びましょう。重量があり、ホースを引っ張ってもリール本体が動かないもの、ホースを巻き取るときに、ねじれにくいものにすると、水やりの負担がかなり軽減されます。夏は毎日使うものなので、是非こだわりたいところです。
室外機から出る歩道への排気を、目隠しを兼ねてフェンスを設置して軽減しました。写真では、排気が左右と上へ分散されて流れていきますが、前だけでなく横も塞いでしまうと排気がされにくくなり、エアコンの効き目が悪くなりますので、注意しましょう。
リビングの掃き出し窓と植栽が重なって、適度に視線が散らされています。
Gロッドクリアの3000。ガラス上部のシルバーのキャップにダウンライトが仕込まれています。
Gロッドクリアの1500。広角が細めのアップライトで出来るだけ真上に向けて照らします。ガラス素材を扱う場合は、植栽が触れるようにすると良く馴染みます。
スリットフェンスは、足元を低木や下草などで隠すようにすると、違和感がでません。
夜間だけではなく、昼間も太陽の光でガラスの中の気泡がキラキラと光ります。
空間を間取るフレームは、囲われた内側に意味を与える効果があります。フレームで囲われていることで、高さがでて広く感じるだけではなく、この部分がお庭だという印象を与えます。
採光性のあるパネルは、光を通しながら完全な目隠しができるので、目隠しに高さが必要な場合は特にオススメです。テラススペースが窮屈にならないように足元を空け、道路際で、しっかり目隠しをしました。
雨の日でも、快適に屋外で煙草を吸うことができます。日除けシェードのみの設置だと、天候によって出し入れしなければならないので、そのうち使わなくなってしまうことが多いです。
お庭のお気に入りのカット。フレームの影が落ちているところがお洒落です。ポストの取り出しスペースは、壁の開口窓まで繋げてゆったりと。
脚立の上での撮影。
青空が綺麗ですが、電線の量が多すぎて避けきれませんでした。
コーナーからの全景。
エントランスでの柱、スリットフェンスの柱、デザイン格子の柱と、木目調の柱位置のバランスがとれて、既存の塗り壁や石貼りの壁が、より映えます。
とても賑やかな印象です。紅葉がとても楽しみです。季節のお花は、石貼りの前の部分だけに限定して、植替えの負担を最小限にしています。
フレームの水平ライン、壁とフェンスの水平ライン、ピンコロ石花壇の水平ライン。構造物で立体感をだしておくと、植栽がより映えます。
屋根の雨水排水は、花壇内へ。
ダウンライトは、縁が目立たないブラウン色に。
ピンコロ石のゴツゴツ感が、既存の石貼りのゴツゴツ感と上手く調和しています。
舗装部分は、道路側へ水勾配をとり、水たまりのできないように配慮しています。植栽スペースに奥行きがある場合は、奥にいくほど背を高く、手前にくるほど背を低くすると、植栽に立体感がでます。
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